お知らせ・プレスリリース

日本ジオパーク再認定審査結果報告

2013年01月28日リリース

〇日本ジオパーク委員会は、以下の5地域のジオパークについて4年ごとに行う再認定審査を実施し、5地域すべてを日本ジオパークと再認定した。
洞爺湖有珠山、糸魚川、島原半島ジオパーク(以上3地域は世界ジオパークでもある) アポイ岳、南アルプス(中央構造線エリア)

〇再認定審査を受けた5地域に、審査の過程で明らかになった改善すべき点をまとめた再認定結果報告書を送付し、どう改善するかまとめたレポートの提出を求める。より良いジオパークとなるよう、日本ジオパーク委員会は日本ジオパークネットワークと協力して助言を行う。

〇世界ジオパーク3地域が今回の審査結果を参考に活動の改善を図り、今年夏の世界ジオパークネットワークによる再認定審査に十分に備えるよう望む。

審査で明らかとなった各ジオパークの活動状況の概要

洞爺湖有珠山

修学旅行、および地元の学校による防災教育を中心としたジオパークの活用が進んでいる。「地球体感」をテーマに一般観光客へのアピールを行っている。持続可能な運営体制の確立、ジオガイドの質の保証、海外のジオパークとの協力関係の構築が課題である。


糸魚川

ジオパークの活動が市民に浸透している。これまで観光の対象ではなかったジオサイトに保全を考慮したツアーを設定するなどの活動により、糸魚川を訪れる観光客、修学旅行生が増加している。フォッサマグナミュージアムの展示の改善、ガイドツアーの需要の掘り起こし、ヒスイなど貴重な自然遺産の保全に対する取り組みが課題である。


島原半島

ジオパークをきっかけとして島原半島が一体となって地域活性化を進めつつあり、自然体験観光が根付きつつある。ジオパークが防災教育・自然教育に広く活用されている。ジオガイドの質の担保、各ガイド団体の連携強化、人の暮らしに関わるサイトなど噴火遺構以外のジオサイトの活用が課題である。


アポイ岳

町の長期計画にジオパークを盛り込み、学芸員を新たに雇用するなど運営体制が強化されており、住民のジオパークの活動に対する熱意は高い。ジオサイトの解説板やガイドブックは、その内容が専門的で市民・観光客にアポイ岳のすばらしさが十分に伝わっておらず、改善が必要である。


南アルプス(中央構造線エリア)

地元の地形・地質やその上に成り立つ人の暮らしに関して地元で良く研究されており、多くの書籍やパンフレットがあり、質の高い教育活動や自然体験活動が行われている。しかし、これまで運営組織が弱くジオパークとして自治体間、組織間の連携が薄かった。様々な活動の外へ向けての発信、日本ジオパークネットワークとの連携、観光客がジオパークに関する情報を得る仕組みが不十分なので改善する必要がある。