私たちのめざすガイド像 2015 in 霧島

日本でのジオパークの活動が始まって8年。各地のジオパークで、さまざまなジオガイドの経験が積み上げられてきています。2015年JGN全国大会・ガイド分科会では、ガイドの皆さんの経験を生かし、ガイド活動やガイド養成の指針となる文章を作りました。事前アンケートへの回答と当日参加者を合わせ、延べ331名の意見の集約です。ジオパークのガイド実践、ガイド養成などに、ぜひご活用ください。(2015年JGN全国大会・ガイド分科会コーディネーター一同)

▼検討経緯

事前準備

7月
JGNガイドワーキンググループで「理想のガイド像」のたたき台文章8項目を作成。
9月
JGN正会員、準会員の事務局を通して、各ジオパークのガイドに「たたき台」の文章に対する意見を聞くアンケートを実施。32地域144名から回答を得る。
10月
全国大会で8項目のコーディネーターとなる8名のメンバーが、自分の担当する文章のアンケートをまとめ、当日配付資料を作成。

2015年日本ジオパーク霧島大会ガイド分科会

参加者数187名
コーディネーター&司会&パネリスト
福島大輔(錦江湾桜島GP)西谷香奈(伊豆大島GP)
コーディネーター&パネリスト
蓮岡真(磐梯山GP)田畑朝恵(伊豆半島GP)大町由紀(島原半島GP)
福辻京子(南紀熊野GP)古園俊男(霧島GP)今井ひろこ(山陰海岸GP)
10月27日(火)グループワーク
8つのテーマ毎に部屋に分かれ、アンケート結果とたたき台をもとについて話し合い、文章候補をまとめる。
10月28日(水)パネルディスカッション
テーマ毎に1日目の議論の経過と文章を発表、前文、表題を含む8つの文章を完成(次頁参照)。

私たちのめざすガイド像 2015 in 霧島

ジオパークを多くの人に知ってもらうために、お客様に目の前の風景の奥にある物語を楽しんでもらいます。そのために、私たちは以下のことに留意してガイド活動を行います。

1.知識だけでなく物語風に伝える
お客様は、専門的な知識のみでは忘れがちですが、感動や体験、物語などは覚えています。大地と人と自然のつながり(ジオストーリー)を自分の言葉で、楽しく、分かりやすく伝えます。またそれが語れるように、専門家や地域の人々の協力も得て知識に裏付けされた引き出しを増やし、ガイド自身も楽しみながら伝えます。
2.「その土地ならでは」の物語を伝える
お客様が「参加する価値がある」と思うのは、その場所でしか触れられない感動的な体験や物語。日頃からフィールドを歩き、地元の人の話を聞き、集めた情報を整理し、お客様が興味を持って聞けるように自分の言葉で話せるようにします。
3.自分のジオパークだけでなく 地球全体を伝える
自分のジオパークだけでなく、出来る限り他のジオパークを学び、地球を語り、世界、日本そして地域を語ります。日本中がジオパークになる中で、各地のジオパークを時間軸の中に置き換え語ると、お客様に伝わりやすくなるでしょう。
4.正確な内容を、 わかりやすい言葉で伝える
伝える内容を正確にするために、専門家等と協力して適切な表現を考え、学んだ知識をお客様の知識や興味に応じて、理解できるようなわかりやすい言葉で伝えます。また他のガイド(ジオパーク)とも、情報を共有していきます。
5.お客様に応じた伝え方をする
お客様の情報を把握し関連づけて伝えます。お客様にあわせてジオパークをわかりやすく伝え、お客様が気づき、新しい発見をし、共感しあえるガイドをめざします。
6.興味を持たせる工夫をしながら伝える
身振り手振りや写真・動画、その他の小道具、歌、クイズ等、様々な手法を用いて、お客様が楽しみながら理解できるように工夫します。景色を観察する際にも、音やにおい、肌で感じる触感など、五感を利用するとよいでしょう。
7.状況を的確に把握し、安全管理を行う
気象や自然現象,活動場所・地形,生物,お客様の状況等によって起こり得るリスクを予知予想し、リスクに応じた安全対策や、事故が発生した場合の対処方法について学び実践します。
8.常にガイド技術を高める努力を重ねる
常に安全に配慮し、お客様の関心を高め「楽しかった!」「また来ます」と言ってもらえるように、様々なガイド手法を学び、取り入れ、自らのガイド技術を高めます。ガイド自身がまずは楽しみ、自ら学びます。
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