秋田県沿岸部のほぼ中央、北緯40度線をまたぐ位置にあり、日本列島のでき方が分かる地層博物館・男鹿と日本で2番目に大きかった湖の底にできた人工の大地・大潟が2011年に日本ジオパークに認定されました。「半島と干拓が育む人と大地の物語」をメインテーマとし、恐竜がいた7,000万年前から現在までの大地の歴史や人の暮らしを連続して見ることができる日本唯一のジオパークです。
秋田県男鹿市は、疲れた身体を癒す温泉や水量豊かな湧水群、「男鹿のナマハゲ」に代表される歴史や文化、自然、動植物に加え、大地の豊富な恵みが育む食文化とそれらを担う人々の生活など、「大地と人の物語」に恵まれています。そのため、当地域では、大地・環境・人間との深い関わりを多様な角度から実感できる地域となっています。
秋田県大潟村は、日本最大の潟湖「八郎潟」を干拓し、その湖底に誕生した村です。一面の田んぼや一直線の道路、防風林などの他では見られない風景や、人工的につくられた大地に生息するチュウヒなどの新たな生態系など、たくさんの見どころがあります。ぜひ干拓地ならではの美しい景観をご覧になり、八郎潟干拓と大潟村の成り立ちに触れてみて下さい。安全でおいしい農産物と、心も体も温まる大潟モール温泉も自慢です。
生鼻崎は、30km近く離れた秋田市からも見える巨大な露頭のジオサイトです。
ジオサイト内の主な見どころ
・生鼻崎
・脇本城跡
・天神様の細葉の椿
東に30°ほど傾いて泥の層と砂の層が交互に重なっています。このような層の堆積はやや深い海に堆積していた泥の上に、浅い所に堆積した砂が流されてきて堆積することを繰り返してできました。その後隆起によって陸地化し、現在は標高100mほどの高さになっています。
この高さを利用して、戦国時代には脇本城が築かれました。秋田地域を支配していた安東氏の拠点的山城として、国の史跡に指定されています。
寒風山は、標高約355mの火山であるジオサイトです。
ジオサイト内の主な見どころ
・噴火口
・板場の台
・滝の頭湧水
火山活動は今から3万年以上前に始まり、何度も繰り返された活動で安山岩の溶岩が積み重なって次第に大きくなることで今の形になりました。現在は3つの火口を望むことができ、「板場の台」では溶岩の流れた痕跡なども観察することができます。
寒風山の大部分が安山岩からなり、その上を薄い表土と芝生がおおっています。この岩は「男鹿石」とも呼ばれ、護岸や庭石、墓石などに幅広く用いられており、私たちの生活とも深く関わっています。
男鹿半島の近代発展の礎となった船川港築港に関するジオサイトです。
ジオサイト内の主な見どころ
・男鹿のまるきぶね(男鹿市民文化会館内にて展示)
・船川港第二防波堤(船川港内)
・旧船川線防波堤(男鹿市民文化会館付近)
岩礁の多い海岸では復原力のある「男鹿のまるきぶね(重要有形民俗文化財)」が発達しましたが、砂地の南海岸は明治期から港として整備され、港からの物資を運ぶ旧船川線(現JR男鹿線)の敷設も行われました。その工事には寒風山の安山岩が用いられました。
館山崎は、グリーンタフという用語の発祥の地と言われるジオサイトです。
ジオサイト内の主な見どころ
・グリーンタフ
・椿の白岩
・ろうそく岩
グリーンタフは、近隣の「椿の白岩」などといっしょに、約2,100万年前の激しい火山活動でできた火山礫凝灰岩という岩ですが、このあたりでは熱水などの影響で緑色に変化しました。当時の火山噴出物は緑色をしたものが多く、日本海沿岸地域に広く分布しています。
また付近にはその形からかつて観音岩と呼ばれていた「ろうそく岩」(日本の奇岩百景登録)と呼ばれる岩なども見ることができます。
潮瀬崎は、風化や浸食により様々な形の岩石が存在する「自然の美術館」ともいえるジオサイトです。
ジオサイト内の主な見どころ
・ゴジラ岩
・ゴジラのしっぽ岩
・ガメラ岩
波に侵食された平らな地形(波食台)が少し隆起したもので、約3,000万年前の火山噴出物である火山礫凝灰岩が風化によって独特の形に削り出されています。
域内のゴジラ岩は怪獣ゴジラにそっくりなことから、平成7(1995)年に名付けられました。特に口元に夕陽と夕焼け雲を重ねた「火を吹くゴジラ」が人気です。
付近には、ゴジラのしっぽ岩、ガメラ岩などたくさんの岩があります。
東北地方では唯一の火山形態であるマール(爆裂火口)があるジオサイトです。
ジオサイト内の主な見どころ
・一ノ目潟・二ノ目潟・三ノ目潟
・八望台
・戸賀湾
目潟と言う淡水湖が、マールであり、男鹿市の水源にもなっています。
一ノ目潟は、地球の地下深いところから噴き出た岩石である「カンラン岩」が見られる火山として、さらに湖底堆積物の層が縞状に堆積する「年縞」が確認されている湖として、世界的に注目されている貴重な文化財です。
付近にある八望台からは、二ノ目潟や戸賀湾など八方の雄大な眺望を楽しむことができます。
北緯40度線上に位置する入道崎は、男鹿を代表する景勝地であるジオサイトです。
ジオサイト内の主な見どころ
・北緯40°モニュメント
・鹿落とし
・鬼の俵ころがし
鹿落としは、かつて男鹿半島に多数生息していた鹿をこの崖から追い落としたことから、その名がついたと言われています。
この断崖に現れているのは、高温の火山灰や火山礫などがまだ熱いうちに積み重なって固まった溶結凝灰岩という約7,000万年前にできた岩石です。男鹿の名物料理である「石焼料理」に使われており、男鹿半島の歴史にも現代の食にも欠かせない大切な岩石の一つです。
全国的にも広く知られている「男鹿のナマハゲ」に関するジオサイトです。
ジオサイト内の主な見どころ
・なまはげ館・男鹿真山伝承館
・赤神神社 五社堂
・鬼のつくった石段(五社堂に向かう石段)
男鹿のナマハゲは国の重要無形民俗文化財に指定されており、毎年大晦日の夜に男鹿半島で一斉に行われる行事です。
域内の五社堂へ登る石段は鬼が積んだ999段の石段と伝えられており、「男鹿のナマハゲ」の由来の一つともなっています。
なまはげ館では、伝統行事としての姿を知ることができるとともに、様々な面を見ることができます。
大潟村の誕生にまつわる見どころが多数存在するジオサイトです。
ジオサイト内の主な見どころ
・旧八郎潟入植指導訓練所
・大潟富士
・大潟神社
八郎潟中央干拓地の建設の目的は「ほかの地域の模範になるような新農村を建設する」ことでした。そのため国は、八郎潟中央干拓地に入植し、営農を行う人たちを昭和41年から昭和49年までの間に5回募集し、試験選抜を実施するなどして合計589人とその家族が大潟村に入植したのです。合格者に対しては、共同生活による1年間の訓練が義務づけられていました。訓練を行った場所が八郎潟入植指導訓練所です。
人工の大地である大潟村にある多様な自然を観察できるジオサイトです。
ジオサイトの主な見どころ
・桜並木・菜の花ロード
・経緯度交会点
・大潟モール温泉
域内にある桜並木は、大潟村創立20周年の記念事業として、昭和59年から3年にわたり、県道298号線約11㎞の両側にソメイヨシノなど合計3,000本を植栽したものです。大潟村が創立50周年を迎えた平成26年にはさらにソメイヨシノ1,000本が植栽されました。これらの植栽は多くの村民の手で行われました。
付近には、東経140度と北緯40度が交わる経緯度交会点が建てられています。
ジオパーク名:男鹿半島・大潟ジオパーク
ジオパーク名(英語表記):Oga Peninsula-Ogata Geopark
団体名:男鹿半島・大潟ジオパーク推進協議会
構成自治体名:秋田県男鹿市・大潟村
■男鹿半島・大潟ジオパーク推進協議会
〒010-0595 秋田県男鹿市船川港船川字泉台66-1 男鹿市 観光文化スポーツ部 文化スポーツ課 ジオパーク推進班内
TEL 0185-24-9104 FAX 0185-24-9156
■大潟村教育委員会 干拓博物館
〒010-0445 秋田県南秋田郡大潟村字西5-2
TEL 0185-22-4113(2910) FAX 0185-24-9200
■ウェブサイト 男鹿半島・大潟ジオパーク