概要

 山陰海岸は、その美しい海岸地形とそこに生息する貴重な動植物から、1955年に国定公園の指定を受け、その後1963年に国立公園に指定されて現在に至っています。

 山陰海岸ジオパークは、山陰海岸国立公園を中心として、東は京都府京丹後市から、西は鳥取県鳥取市まで、京都府(京丹後市)、兵庫県(豊岡市、香美町、新温泉町)、鳥取県(岩美町、鳥取市)の1府2県3市3町にまたがり、東西約120km、南北最大約30kmに渡って広がっています。

みどころ

 ジオパークエリア内では、約2,500万年前の日本海形成の時代から現在に至るまでの過程を知ることが出来る貴重な地質や地形が数多く見られます。

体験

 また、古くからの人々の生活の場でもあり、松葉ガニをはじめとした日本海の豊富な海産物、丹精込めて育てられる但馬牛、砂丘地を利用した「らっきょう」などの絶品グルメ、城崎温泉・夕日ヶ浦温泉・岩井温泉など数多くの良質な温泉、遊覧船・スノーケリング・スキーなど各地域の自然を活かした体験学習、多彩な自然を背景に育まれた様々な暮らしや文化に触れられるなど、「見る、食べる、学ぶ」ことができる日本海形成の歴史と人々の暮らしを感じられるジオパークです。

主な見どころ・
おすすめジオサイト

小天橋(京都府京丹後市)

 日本海に面して延長約7キロメートルの砂浜が続く美しい砂浜には多様で貴重な海浜植物が分布しています。また、小天橋砂州によって、日本海と隔てられた潟湖・久美浜湾の南東部に位置するかぶと山頂上からは、小天橋と久美浜湾を一望することができ、その景色は絶景です。

アクセス情報
・京都丹後鉄道「久美浜駅」下車(特急列車利用)
・京都丹後鉄道「小天橋駅」下車(普通列車利用)

玄武洞公園(兵庫県豊岡市)

 「玄武洞」は新生代第四紀(約260万年前~現在)における地球磁場の逆転の発見につながった場所です。1926年、京都大学の松山基範博士は、約160万年前の火山活動で形成された玄武洞の石が、現在の地磁気と反対の磁性であることを発見しました。また、現在と反対の磁性の時代が存在していたことを示し、その時代は「松山逆磁極期」と呼ばれています。この発見が、地球科学における海洋底拡大説のよりどころとなり、プレートテクトニクス説の構築に大きく寄与しました。その地質的な価値と自然の作り出した美しさから、昭和6年に国の天然記念物に指定されています。近年は、兵庫県豊岡市のマスコットキャラクター「玄武岩の玄さん」が大人気となっています。

アクセス情報
・JR「豊岡駅」下車、タクシー利用
・JR「城崎温泉駅」下車、タクシー利用

猿尾滝(兵庫県香美町)

 上下2段に分かれており、下段の滝が猿の尻尾に似ていることからこの名前が付いたと言われています。上段落差39m、下段落差21m、総落差60mの大きな滝が岩肌と自然林に映え、春は新緑、夏は納涼の滝姿、秋は紅葉と白い滝のコントラスト、冬は氷壁の滝と四季折々の表情がみられます。

 上段の滝には自然の石仏が見られ、その姿は滝に打たれる修行僧を思わせるもので、自然の造形の神秘さを感じることができます。「日本の滝百選」にも選定されています。

アクセス情報
・JR「八鹿駅」下車、全但バス「湯村・秋岡・村岡行」利用
・全但特急バス「湯村温泉行」利用

三尾大島(兵庫県新温泉町)

 三尾湾の入口にある周囲約1キロメートルの小島で、国の天然記念物に指定された「但馬御火浦」の中心的な場所です。特に島の東側は、発達した柱状節理が一面に石の杭を隙間なく打ち込んだように見えます。但馬海岸遊覧船のグラスボートに乗ると、この三尾大島をはじめとした国立公園但馬海岸の雄大な自然と美しい海岸線を海上から眺めながら、海底をのぞくこともできます。

アクセス情報
・JR「浜坂駅」下車、町民バス「赤崎循環線」利用
・(海上より景観を見る場合)遊覧船、海上タクシー利用

浦富海岸(鳥取県岩美町)

 鳥取県岩美町大谷から兵庫県境にかけて東西約15キロメートルに渡って広がる海岸です。日本海の荒波によって侵食された荒々しい岩石と、岬に囲まれた白砂青松の浜が織りなす景観は素晴らしく、数多くの文人が訪れ、絶賛したことで知られる山陰を代表する美観・絶景の一つです。また、砂浜海岸は海水浴場としても適しており、臨海学校としても利用され、岩美町立渚交流館では、シュノーケルやシーカヤックなどの体験学習を実施しています。また、一部を除き国指定天然記念物・名勝に指定されています。

アクセス情報
・JR「岩美駅」下車、日交バス「岩美・岩井線」利用
・JR「岩美駅」下車、町営バス「田後・陸上線」利用

鳥取砂丘(鳥取県鳥取市)

 中国山地から花崗岩由来の大量の砂が千代川によって日本海に運ばれ、それらがさらに潮流や波浪によって海岸に寄せ集められたり、冬季の北西の季節風に運ばれて形成された海岸砂丘です。鳥取砂丘の風紋を題材に、有島武郎、与謝野晶子、高浜虚子など多くの詩人がこの地で歌を詠み、その歌碑が鳥取砂丘の各所に点在しています。国の天然記念物に指定されており、多くの観光客が訪れる観光スポットとして親しまれている一方、乾燥地研究施設アリドドームを中心に世界の砂漠化防止研究でも活用されています。

アクセス情報
・JR「鳥取駅」下車、日交バス・日ノ丸バス「砂丘線」利用

基本情報

ジオパーク名:山陰海岸ジオパーク

ジオパーク名(英語表記):San'in Kaigan UNESCO Global Geopark

団体名:山陰海岸ジオパーク推進協議会

構成自治体名:京都府、兵庫県、鳥取県、京丹後市、豊岡市、香美町、新温泉町、岩美町、鳥取市(1府2県3市3町)

お問合せ先

■山陰海岸ジオパーク推進協議会事務局

〒668-0025 兵庫県豊岡市幸町7-11(兵庫県豊岡総合庁舎)

TEL 0796-26-3783 FAX 0796-26-3785

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