霧島山は加久藤カルデラの南縁の20km×10kmの楕円形の範囲に20あまりの火山と火口湖が集まっています。現在地表に現れている火山は加久藤火砕流の後、約30万年前からの火山活動により形成されたとされており、火山や火口湖の形態も多様で、まさに火山の博物館と言えます。
霧島山の火山活動と最近の氷期・間氷期サイクルは、多種多様な植物が生育できる環境をここに作りました。噴火後の裸地から森へと変わる植物群落の移り変わりや暖温帯から冷温帯植生にいたる垂直分布などをみることができます。このような環境でここでしか見られないノカイドウや1300種類を超えるといわれる多くの植物を見ることができます。
霧島山には、「古事記」や「日本書紀」など日本神話や数々の物語りも取り上げられており、「高千穂峰」の降り立ったとされる「ニニギノミコト」などを祀った神社がこの山を取り囲むように5社あり、国の無形文化財に指定された「神楽」や「神舞」が残されております。
白紫池、六観音御池、不動池の三つの火口湖を巡る遊歩道が整備されており、新緑、紅葉、雪景色等火口湖の四季折々の景観が楽しめるコースです。
標高1700mの火山ですが、登山口からの標高差は500mにすぎず、気軽に登山を楽しめます。頂上からは霧島の火山群が一望できるとともに、南に目を凝らすと姶良カルデラを挟んで桜島、開聞岳、薩摩硫黄島を見ることができ、南九州火山フロントの火山列が観察できる場所です。
2008年8月に小規模な噴火を起こして以降、断続的に小さな噴火を繰り返していましたが、2011年1月26日には朝より連続的な噴火活動を行い、午後からはさらに規模の大きな噴火が数時間にわたって続き、広い範囲に火山レキや火山灰を降らせました。また、その後、1月28日には火口内に溶岩湖が確認されています。
この噴火以前は、火口湖は綺麗なエメラルドグリーンの水をたたえていました。 映画007シリーズ「007は2度死ぬ」の中で、敵の秘密基地が火口湖の下に設定されロケに使われました。
13世紀の噴火で遷座する前の霧島神宮の古宮址から御鉢火山の溶岩堤防を登り、火口縁を経て、高千穂峰頂上(1574m)に登るコースが設定されています。中岳や韓国岳と同様、6月には火山性土壌に咲くミヤマキリシマが見ごろを向かえ、多くの観光客でにぎわいます。日本最初の新婚旅行といわれる坂本龍馬と妻おりょうの登山のエピソードが残るところです。
日本の滝100選・関之尾滝は加久藤火砕流堆積物にかかる滝で、凹凸のある岩の間をすさまじい勢いで水が駆け下り、広大な滝つぼに轟音とともに流れ込んでいます。滝の上流には大規模な甌穴(おうけつ)群があり、溶結凝灰岩と水流がつくる自然のアートを間近で見ることができます。この甌穴群は1928年に国の天然記念物に指定されました。
霧島の北東麓にある高原で、韓国岳の溶岩流の上にあります。韓国岳や夷守岳、甑岳などの霧島の山岳地帯や、小林市の盆地などを見渡すことができるスポットです。春はアイスランドポピー、秋にはコスモスが満開になります。
二子石火山の麓に静かにたたずむ御池こそが、霧島火山群の歴史の中でもっとも大きな噴火を引き起こした火口です。今から4600年前に噴火した御池は大量の軽石を噴出し、都城方面に厚く堆積させました。「御池ボラ」とも呼ばれる御池軽石は農業には適しませんが、水はけがいいため園芸用に広く活用されています。
このユニークな溶岩の名前は、この溶岩が今から1100年前に御鉢火山から流れ出て霧島神宮付近で止まったことに由来しています。高千穂河原から霧島神宮へと下る道路はこの溶岩の上につくられており、その上を歩いて溶岩の地形を体感してみるのもいいかもしれません。
七折の滝はその名の通り複雑に折れた滝で、甑岳から流れた溶岩にかかっています。この滝の水は宮崎平野から日向灘に流れ出る大淀川の源流、石氷川です。滝の岩肌がオレンジ色をしているのは、滝の水に含まれる鉄分が沈着したためです。
矢岳高原からは加久藤カルデラとその南縁に成長した霧島火山群を一望することができます。なぜなら、矢岳高原は加久藤カルデラの北側の縁にあたるからです。霧島火山群ができる前、カルデラには豊かな水がたまっていたと考えられています。
ジオパーク名:霧島ジオパーク
ジオパーク名(英語表記):Kirishima Geopark
団体名:霧島ジオパーク推進連絡協議会
構成自治体名:都城市・高原町・小林市・えびの市(以上宮崎県)・曽於市・霧島市・湧水町(以上鹿児島県)
■霧島ジオパーク推進連絡協議会
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