ジオパークの概要

隠岐は日本海西部の離島のユネスコ世界ジオパーク。日本海と日本列島形成の歴史を記録した岩石をはじめ、第四紀の環境変動の結果生み出された独自の植生や、隠岐の地史・地理・地質が生み出した自然環境に最適化した文化、日本海の離島という地理によって育まれた歴史などが狭い島の中でコンパクトに見られる、大地と人、人と自然をつなぐジオパーク。

隠岐ジオパークの地図

隠岐のおすすめジオ

隠岐のジオパークを楽しむには、ガイド付ツアーが最適である。日本海の侵食海岸、海岸の亜高山性植物、古代から続く祭祀、カルデラの地形ならではの神社と漁業、そしてイカが打ち上げられる浜のある神社など単体でも魅力的なトピックがあるが、それらを地理や地形、地質と関連づけられた形で体験することで、地球をとりまくシステムの一端が見えてくる。

ガイド付きツアー

隠岐のジオパーク活動の特色

隠岐のジオパークの運営母体は行政主体であるが、その活動は10年以上前からの民間の団体(風待ち海道倶楽部)とその取り組みにルーツを持つ。ジオパーク以降における変化はあるが、「隠岐の人が隠岐のことを誇りをもって語れる」ようになることが活動の主目的であることには今も変わりがない。

隠岐へのアクセス

アクセスは、本州側対岸の境港、七類港からのフェリー、高速船のほか、大阪伊丹空港から島後島の隠岐空港への便がある。便数が少ないことに注意。各島内は観光タクシーまたはレンタカー移動が基本。

隠岐までのアクセスマップ

主な見どころ・
おすすめジオサイト

国賀海岸

西ノ島の北西岸に広がる奇岩の立ち並ぶ海岸。大陸からの強烈な冬の北西季節風によって国内有数の規模の侵食海岸となっている。海食崖、離れ岩、アーチ、波食棚、海食洞など、一通りの海岸侵食地形の景観を楽しみつつ、それらの形成されるメカニズムを理解することができる。

摩天崖からの景観
通天橋の解説看板
国賀海岸の遠景
アクセス情報
西ノ島、別府港から車で25分+徒歩5分(通天橋)
定期遊覧船あり(別府港、浦郷港、菱浦港発着)
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岩倉の乳房杉

山頂部より崩落してきた玄武岩の岩塊に覆われた斜面に立つ奇妙な概観の杉と、その周囲には、この一帯が風穴の作用によって特異的に湿度が高い場所となっており、川もないのに水辺の植生が繁茂している。この特殊な空間にそびえる奇形の杉は信仰の対象(岩倉神社)となっている。

乳房杉
乳房杉の解説看板
岩倉神社
アクセス情報
島後(隠岐の島町)、西郷港から車で50分
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銚子ダムの隠岐片麻岩

約2.5億年前に形成された、日本列島を構成する地質帯の中で最も古く、また唯一の大陸側の地質である飛騨-隠岐帯の代表的な岩石で、ここでは露頭(岩の崖)を直接研磨したキレイな面でいつ行っても(岩石を割らなくても)岩石の構造やガーネットなどを観察できるようになっている。

隠岐片麻岩
隠岐片麻岩の解説看板
アクセス情報
島後(隠岐の島町)、西郷港から車で20分
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壇鏡の滝

火山岩と火砕岩が重なった地層が侵食されたことによって形成された、オーバーハングの滝。裏見の滝ともいわれ、滝の落ちる水の後ろに回り込むことができる。現地は神社になっており、謎の多い神(瀬織津姫)が祭られている。また、相撲などの勝負事の際には、関係者が勝ち水と称されるここの湧水を汲みに来る。

壇鏡の滝(雄滝)と壇鏡神社
壇鏡の滝の解説看板
アクセス情報
島後(隠岐の島町)、西郷港から車で50分
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赤ハゲ山から見る島前カルデラ

約600万年前に形成された島前カルデラは、地形の残っているカルデラとしては日本国内でもかなり古いとされ、日本地質百選にも選ばれている。この山頂からは、障害物もなくパノラマでカルデラの全景を見渡すことができる。周囲にはこのような地形ならではの農法、牧畑の遺構が見られる。

島前カルデラの解説看板
島前カルデラの全景
アクセス情報
知夫里島、来居港より車で20分
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明屋海岸

スコリア丘が波の侵食を受けてできた海岸であるが、その赤く奇異な景観から、神話の舞台としても伝承されている。火口に相当する場所が、岩に囲まれたようになっており、そこが神がお産をした場所とされる。また、この火口から流出した溶岩は、平坦な溶岩台地を作り、一方で入江をせき止めたことによって平地も形成している。

明屋海岸全景
明屋海岸の解説看板
アクセス情報
中ノ島(海士町)の菱浦港より車で15分
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由良比女神社とイカ寄せの浜

名神大社で漁業の女神が祀られている。社殿正面の浜にケンサキイカ(白イカ)が大量に生きたまま漂着する。隠岐地域にかつて数ヶ所あったと伝わるが、今もイカが漂着するところは少なく、ここも沿岸の堤防や仕掛け網の影響で数年に一回程度の発生頻度。その発生要因は海岸、海底地形の影響と考えられるが詳細は不明。

由良比女神社
イカ寄せの浜の看板
由良比女神社の解説看板
アクセス情報
西ノ島、別府港から車で15分
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西郷岬の爆裂火口

約55万年前にマグマ水蒸気爆発によって形成された爆裂火口。その半分は海岸侵食によって失われ、その断面が半島の側面に見えており、西郷港を出入りするフェリーの甲板から見ることができる。隠岐空港のある西郷岬半島そのものが一連の噴火によって形成された溶岩台地である。

爆裂火口の全景
爆裂火口の解説看板
爆裂火口の形成史
アクセス情報
島後(隠岐の島町)、西郷港から車で10分
または隠岐空港から車で5分
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奥津戸海岸のオオイワカガミ

海抜ほぼゼロメートルの地点で見られる亜高山の花。花期は5月頃。最終氷期に低地に降りてきた本種の分布によって当時半島だった隠岐に移入、定着したものと考えられ、植生を通じて地史を考えることができる。周辺ではシナノキ、ミズナラ、イカリソウなどの山地帯の植物も見られる。

海岸のオオイワカガミ
奥津戸海岸の解説看板
アクセス情報
島後島(隠岐の島町)、西郷港から車で25分
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焼火神社

島前カルデラの中央火口丘の中腹にある岩場の窪みにあつらえられた社殿を持つ、航海安全の神を祀る神社。神社の縁起には神火が遭難しかけた船を誘導したという伝説があり、穏やかなカルデラの内海に誘導する灯台の機能を彷彿とさせる。

焼火神社の社殿
アクセス情報
西ノ島、別府港から車で20分+徒歩20分
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基本情報

ジオパーク名:隠岐ジオパーク

ジオパーク名(英語表記):Oki Islands UNESCO Global Geopark

団体名:一般社団法人 隠岐ジオパーク推進機構

構成自治体名:島根県隠岐の島町、西ノ島町、海士町、知夫村

お問合せ先

■一般社団法人 隠岐ジオパーク推進機構事務局

〒685-0013 島根県隠岐郡隠岐の島町中町目貫の四61番地

TEL 08512-3-1321 FAX 08512-3-1322

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■ウェブサイト 隠岐ジオパーク