室戸ジオパークの位置

室戸ユネスコ世界ジオパークは、高知県東部の室戸半島に位置し、面積248.20km2の室戸市全域が範囲です。新しい大地の形成や変動する地球のダイナミズムを実感でき、プレートテクトニクス理論を陸上で初めて実証した四万十帯(付加体)の地質や、地震隆起と海水準変動によって形成された海成段丘など、詳しい研究がなされています。国の天然記念物に指定されている室戸岬亜熱帯性植物樹林及び海岸植物群落も特異な景観をつくっています。

大地が盛り上がり続ける場所で、暮らしてきた人々の知恵や工夫が体感できます。崩れやすい斜面で潮風にも耐えて育つウバメガシを原料とする土佐備長炭の生産が盛んで、室戸全体で31の窯元(2014年11月現在)があります。明治後期から昭和にかけて、その土佐備長炭で繁栄した吉良川では、主屋・蔵・いしぐろの塀等を備えた伝統的建造物が現存しており、隆起による段差のある地形にできた町並みには激しい風雨に耐える工夫がいくつも見られます。

エリア紹介

室戸半島の西海岸は海成段丘と遠浅の海底地形からなっています。対照的に東海岸は、海に急角度で落ちる断層崖をなしています。海洋深層水はこの断層崖にぶつかって上昇しており、比較的短い距離で海洋深層水を取水できます。この海洋深層水を活用したホテルやスパなどの施設や塩など様々な関連商品も生産されています。また段ノ谷山には、天然杉の巨木が30本以上生育しています。この森を人々は守り、尊び、共に生きてきました。

主な見どころ・
おすすめジオサイト

枦山-西山台地サイト

室戸岬から西側の地域には、山の上に平らな土地が広がっています。この平地は、人工的につくられたものではなく、「海成段丘」という、大地の隆起と海水準の変動により作られたものです。室戸は、平均すると千年あたり約2mという速さで大地が盛り上がっています。これは、同時代の海成段丘としては世界でもトップクラスの隆起量です。海成段丘では、日当たりや水はけが良いため、サツマイモやナス、ビワなど、おいしい農作物が作られています。

アクセス情報
高知空港より室戸方面車で1時間30分

行当-黒見海岸サイト

室戸ユネスコ世界ジオパークの西岸に位置する行当-黒耳海岸サイト(行当岬新村海岸)には、約4,000万年~3,000万年前に、海底に堆積した地層が分布しています。ここでは、砂岩泥岩の互層から成るタービダイト層、スランプ構造、水の流れにより海底に刻まれた漣痕、生痕化石、地震の化石と言われる砂岩岩脈など、海底で起こった様々な事件を伝える地層を見ることができます。

アクセス情報
高知県東部交通(バス):新村不動バス停下車徒歩3分

室津港サイト

街と海面の高低差7~8m。人々は自然と共生するために、港を改良してきました。室津港では、海面が非常に低いところにみることができます。ここでは、地震のたびに地盤が隆起し干上がってしまうため、人の力で港を掘り下げてきました。

また、室津港周辺には、かつて遠洋漁業が盛んだった頃に大変賑わいを見せた飲み屋街があり、この一帯のことを人々は「港の上」と呼びます。海面をはるか下に望む独特の地形が生み出した地元ワードのひとつです。

アクセス情報
高知県東部交通(バス):室戸バス停下車徒歩3分

室戸岬サイト①

室戸岬サイトでは、巨大地震が繰り返し発生した痕跡を見ることができます。室戸岬サイト東側に位置する御廚人窟(みくろど)と神明窟(しんめいくつ)は、1,200年ほど前に空海(弘法大師)が修行をした場所として有名です。御廚人窟と神明窟は、現在は海水面より10m近い標高に位置しています。約2800年前までは波打ち際にありましたが、繰り返しおこった巨大地震によって土地が隆起し、現在の高さになりました。室戸岬付近に点在する離水地形には、ゴカイの仲間であるヤッコカンザシの石灰質の棲管が付着しており、その年代測定結果から、地震の発生と隆起の歴史を知ることができます。

あがりこ
アクセス情報
高知県東部交通(バス):岬ホテル前バス停下車徒歩5分

室戸岬サイト②

室戸岬サイトでは、約1600万年前に深海でたまった砂や泥に触ることができます。砂や泥といっても、カチカチの岩。これらは長い年月をかけて、深海からはるばる押し上げられてきました。また、太平洋に三角に飛び出した室戸は、海風の影響を大きく受けています。沖を流れる黒潮は、南から温かい空気を運んできます。そのため室戸岬に茂る森は、亜熱帯性の植物がたくさん。タービダイトの岩にしがみつくようにして育つアコウの木は、見ごたえ抜群です。

アクセス情報
高知県東部交通(バス):室戸岬バス停下車徒歩すぐ

日沖-丸山海岸サイト

日沖漁港で観察できる「玄武岩」は、マグマが冷えて固まった岩石です。この岩石の表面をよく観察すると、丸い枕状の塊をいくつも観察できます。これは「枕状溶岩」と言って、ドロドロのマグマが海底に噴出したものと考えられています。マグマは水によって急激に冷やされ、表面はすぐに固まり、中身のまだ熱い溶岩は表面を破って再び噴出します。これを繰り返した結果、丸い塊がいくつも積み重なった形ができたのです。ここでは、海底で起きた事件を間近で見ることができるのです。

アクセス情報
高知県東部交通(バス):日沖バス停下車徒歩すぐ

基本情報

ジオパーク名:室戸ジオパーク

ジオパーク名(英語表記):Muroto UNESCO Global Geopark

団体名:室戸ジオパーク推進協議会

構成自治体名:高知県室戸市

お問合せ先

■室戸ジオパーク推進協議会

〒781-7101 高知県室戸市室戸岬町1810-2 室戸世界ジオパークセンター

TEL 0887-22-5161 FAX 0887-23-1618

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