とかち鹿追ジオパークは、北海道東部に広がる十勝平野、その北西部に位置する鹿追町全域をエリアとしています。鹿追町では、国内有数の食糧基地として知られる十勝管内の一部として、肥沃で広大な大地を使った酪農と畑作が基幹産業として営まれています。また、町の北部は大雪山国立公園に指定され、公園内にある山々や然別湖(しかりべつこ)には自然環境や温泉を楽しみに毎年多くの観光客が訪れています。
とかち鹿追ジオパークでは、国内のジオパークで唯一『凍れ』をテーマに掲げ、凍れが作りだした地形や生態系、寒冷地に暮らす生活の知恵や産業、イベントなどを四季を通じて楽しむことができ、大地の恵みを美味しく体験することができるジオパークです。
約100万年前~1万年前に繰り返された火山活動が鹿追の大地を作り上げました。この火山活動によって小さな溶岩ドームがいくつも誕生し、川が堰き止められ然別湖が誕生しました。現在、この溶岩ドームには岩塊斜面及び風穴地帯が広がり、周囲には流れ山地形や爆裂火口の跡を見ることができます。
然別湖周辺の山々に広がる風穴地帯の地下からは、日本最古の氷を含む永久凍土が確認されています。また、鹿追の大地には、周氷河地形が広がり、凍れを活用した農業やイベントが行われています。
日本最大級の風穴地帯の周囲には、風穴から出る冷たく湿った環境により、エゾナキウサギを代表とする類稀なる生態系が育まれています。また、火砕流や火山灰が降り積もった大地では、美味しい野菜や牛乳が作られています。
標高804mと北海道内で最も標高の高いところにある自然湖です。然別火山群の活動により川が堰き止められ誕生したこの湖では、陸封されたオショロコマが湖の環境に適した亜種ミヤベイワナへと進化しています。外にも多様な生物が生息しており、これらの地形や生態系を観察するツアーがネイチャーガイドによって常時行われています。また、冬は完全結氷する湖面を利用して、『しかりべつ湖コタン』というイベントが開催されています。このイベントでは、湖面に雪と氷を使ったイグルーやチャペル、氷上露天風呂などが建設され、-30℃凍れ(しばれ)を満喫できるイベントとなっております。
然別火山群の中腹にある展望台で、ここからは十勝平野を一望することができます。眼下には、然別火山群が崩壊した際に流れた岩によって小山ができた流れ山地形や、然別川の働きにより作られた扇状地形の台地、日本の平野で3番目に広い十勝平野には日本有数の農畜産物の生産量を誇る広大な農地の景観が広がっています。また、遠くにはプレート同士のぶつかり合いによって誕生した日高山脈を見ることができ、十勝平野誕生から現在までの物語をここで学ぶことができます。
溶岩ドームの表面が崩れたことによってできた斜面で、このような岩のゴロゴロした斜面は岩塊斜面もしくはガレ場と呼ばれています。この岩塊斜面の内部には空気が流れており、この空気が出てくる穴を風穴と呼びます。千畳崩れの周囲にも風穴があり、ガイドツアー等に参加することで観察できます。
ジオパーク名:とかち鹿追ジオパーク
ジオパーク名(英語表記):Tokachi Shikaoi Geopark
団体名:とかち鹿追ジオパーク推進協議会
構成自治体名:北海道鹿追町
■とかち鹿追ジオパーク推進協議会 事務局
〒081-0341 北海道河東郡鹿追町瓜幕西29線28番地 とかち鹿追ジオパーク・ビジターセンター
TEL 0156-67-2089 FAX 0156-67-2099
■ウェブサイト とかち鹿追ジオパーク
■Facebook とかち鹿追ジオパーク推進協議会