白山手取川ジオパークは、日本列島の中央部、日本海に面した石川県の南西に位置する白山市全域を範囲としています。日本三名山の一つ白山を源とする県下最大の一級河川・手取川が北上し、日本海に注ぎ込んでおり、山頂部から海岸部までおよそ2700mの標高差の中に豊かな自然が広がっています。越前、加賀、美濃などの広い範囲から、初夏にも雪を頂く姿が望まれる白山は、古くより「越のしらね」として都人にも知られ、多くの和歌などに詠まれてきました。
地質的には、2億数千万年前の飛騨変成岩類を基盤として、1億数千万年前のアジア大陸縁辺部に堆積した手取層群、中生代から新生代にかけての濃飛流紋岩類や、グリーンタフなどの日本海形成過程で噴出した火山岩類が分布しています。そして、約40万年前から活動を開始した白山火山の火山活動による噴出物もあります。これらの大地が手取川によって削られ、そして堆積することで、峡谷や扇状地などの地形ができました。
この地域は、大地の成り立ちと、暖流の流れる日本海の影響を受け、世界的にも稀な低緯度の多量積雪地帯となっており、日本海から白山にかけての狭い範囲で、水循環(水の旅)が生み出され、そして石を運ぶ石の旅も起こっています。白山手取川ジオパークでは、「山-川-海そして雪 いのちを育む水の旅」をテーマとしています。
日本三名山の一つで、古より多くの人々に崇拝され、親しまれてきています。
白山は付近に広がる基盤の飛騨変成岩類や白亜紀の堆積物である手取層群の上に噴出した火山で、現在の活動は遠目にはうかがいしれませんが、火山性の群発地震が観測されるなど目に見えない部分では、今もなおその活動は続いています。
登山道沿いでは、地質の変化を観察することができ、中生代堆積岩の大露頭や火山噴出物などを間近で体感できます。
また多くの高山植物の西限や南限となっているなど、高山帯の植物分布の境界域にあり、植生やそこに棲む動物など、生態系観察もみどころです。
日本の地質百選に選定されている手取川の巨礫です。昭和9年の大洪水の時に手取川の支流から流れてきたもので、重さが百万貫はあるだろうと伝えられたことからこのように呼ばれています。国土交通省の計測により、推定重量が約4,800t(129万貫)に達することがわかっています。付近には、これ以外にいくつもの巨大な岩が転がっており、土石流の威力を物語っています。百万貫の岩の大きさを体感することで、暴れ川の異名を持つ手取川の怖さを間近に感じることができます。
明治7年にライン博士が植物化石を採取して以来、世界の専門家も注目する貴重な動植物化石を多く産出しており、日本の地質学・古生物学発祥の地と言われる大きな露頭です。
産出化石には恐竜をはじめ様々な種類の動物化石があり、豊富な植物化石とあわせて、中生代白亜紀前期の風景を思い描けます。また、ジュラ紀と白亜紀という時代の境界近くの地層であり、発見される化石には、古い時代のタイプの生き物と新しい時代のタイプの生き物が混在していたことがわかってきています。現在の生き物へとつながる進化の過程を解き明かすため、世界的にも重要な化石産出地となっています。
手取川中流域に見られる高さ20~30mの絶壁で、約8kmにわたって続いています。石や砂を多く運ぶ手取川が大地を急激に削り込んで作られました。河床に見られる大小さまざまな甌穴からも、普段はおとなしい手取川の激流が感じられます。
手取川の奇岩。夫婦岩は、手取川の浸食を免れた高さ10m前後の柱状の岩石が立つ。また、メガネ岩は、柱状の岩の根元が浸食により穴が開き、あたかもメガネ状となっている岩。岩脈部分が周辺部より固いことから浸食を免れたものと思われる。
ふもとに活断層である森本富樫断層帯があり、その活動によって高くなったと考えられる。スカイスポーツのメッカとなっており、簡単に飛び出せると評判もよい。ゴンドラで高原まで気軽に上がることができ、手取川扇状地と島集落を一望できる格好の場所となっている。
白山を源流とする手取川の河口域にあたる美川の地の湧水群。手取川扇状地扇端部で伏流水が湧き出しており、平成の名水百選に選ばれている。地域住民には生活の一部として親しまれている。(お台場の水、大浜の水、やすまる銘水、すいはの水、呉竹水荘、蓮池の水)
ジオパーク名:白山手取川ジオパーク
ジオパーク名(英語表記):Hakusan Tedorigawa UNESCO Global Geopark
団体名:白山手取川ジオパーク推進協議会
構成自治体名:石川県白山市(1市)
■白山手取川ジオパーク推進協議会
〒924-8688 石川県白山市倉光2-1 白山市役所 ジオパーク・エコパーク推進室内
TEL 076-274-9564(3610) FAX 076-274-9546
■ウェブサイト 白山手取川ジオパーク
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