遠軽町

 北海道の北東部、オホーツク海沿岸より20km内陸に位置する遠軽町(えんがるちょう)は、アイヌ語で見晴らしの良いところを意味する「インカルシ(瞰望岩)」が、町名の由来となっています。このインカルシはかつての火山噴火が作り出した巨大な岩で、町名にジオ(=大地)が根付いた町です。ジオパーク活動を通して、地域の遺産を次世代まで残す町づくりに取り組んでいます。

ジオパークフォトラリー 2014年大会の様子。
後ろに見える大きな岩が「インカルシ(瞰望岩)」

白滝黒曜石

 日本最大級の質・埋蔵量を誇る白滝黒曜石が、白滝ジオパークの見どころの一つです。黒曜石を生み出した火山活動と、黒曜石を道具として用いて暮らした旧石器時代の人々について学び・体感することで、大地と人のつながりを感じることができます。

白滝黒曜石を生み出した溶岩の断面を見ることができるジオサイト「八号沢露頭」

主な見どころ・
おすすめジオサイト

噴火で誕生した岩石

八号沢露頭

 かつてのネバネバなマグマの噴火が生み出した迫力満点の黒曜石溶岩を見ることができます。旧石器時代には、黒曜石は石器の材料として使われており、人々が生きていくためにはなくてはならないものでした。八号沢露頭は、人々が黒曜石と共に生きた物語の始まりの地です。

八号沢露頭
八号沢露頭(空撮)
アクセス情報
八号沢露頭は国有林内にあるため、入林には事前の許可申請が必要です。黒曜石ジオツアーへご参加ください。ツアーに関するお問い合わせは、白滝ジオパーク交流センター(0158-48-2213)まで
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黒曜石銀河ロード

 足元一面に黒曜石が広がる、赤石山山頂へ向かう林道です。黒曜石溶岩を掘削して林道を切り開いたことで、細かな黒曜石が銀河のように輝く道となりました。太陽の光に照らされた黒曜石が足元一面で輝く光景は、言葉を失うほどの美しさです。大地と人々が関わりあうことで生み出されたジオサイトです。

黒曜石銀河ロード
撮影者:伊藤建夫氏
アクセス情報
黒曜石銀河ロードは国有林内にあるため、入林には事前の許可申請が必要です。黒曜石ジオツアーへご参加ください。ツアーに関するお問い合わせは、白滝ジオパーク交流センター(0158-48-2213)まで
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インカルシ(瞰望岩・がんぼういわ)

 遠軽市街地を見下ろすようにそびえる巨大な岩です。かつて水の中で噴火が起こり、バラバラになったマグマが固まることで、この岩石は生まれました。浸食されずに残った部分が、現在の瞰望岩です。町のカントリーサインにも使われ、アイヌの人々が見張り場として利用していたと伝えられているように、眼下には絶景が広がります。

遠軽の街から見る瞰望岩
瞰望岩から望む遠軽の街並み
アクセス情報
JR遠軽駅から車で約5分
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噴火が生み出す地形

天狗平展望地

火砕流”と呼ばれる火山の噴火現象が生み出したなだらかな草原が、目の前に広がります。背後には、北大雪を代表する火山である天狗岳や平山が位置しています。息をのむほどに雄大な景色の中で「ほっと一息」つくことができるのも、大地の恵みです。早朝には雲海が広がることがあり、幻想的な光景を楽しむことができます。

雲海に包まれた天狗平 神山 利彦氏 撮影(撮影日時:2015年8月13日 朝5時頃)
写真:天狗平展望地からの眺め(パノラマ撮影)
アクセス情報
道の駅「しらたき」から白滝高原キャンプ場・天狗岳方面へ車で約5分
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大平(たいへい)高原(大平ジオパークロード)

 ”火砕流”と呼ばれる現象が生み出した、なだらかな高原です。標高約600mに位置しているため、夜は天然のプラネタリウムに姿を変えます。大平高原を通る「大平ジオパークロード」は「ほっかいどう100の道(北海道新聞社)」に選ばれており、ドライブしながら自然の雄大さ、美しさを感じることができます。 

大平高原
大平高原からの眺め
大平高原で見ることができる満点の星空
アクセス情報
大平ジオパークロード入り口(遠軽町丸瀬布南丸)から車で約10分
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山彦の滝

 落差約28mの滝で、滝の裏側に回ることができる「裏見の滝」としても知られています。火山の噴火によって生み出された”溶結凝灰岩”という岩石の上に川が流れることで、この見事な滝が生み出されました。冬にこの滝が”しばれ(=凍りつき)”、一本の巨大な氷の柱に生まれ変わる姿も必見です。

山彦の滝
ライトアップされた、氷結した山彦の滝
滝の裏へ回る様子
アクセス情報
山彦の滝へ向かう道路が冬季は通行止めとなるため、「山彦の滝ナイトツアー」や「山彦の滝観察会」にご参加ください。日程やツアー詳細については 丸瀬布総合支所産業課(0158-47-2213)までお問い合わせください。
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白滝発祥の地

 ”溶結凝灰岩”という岩石の上を湧別川が流れることで、岩肌がむき出しとなった地形が作られました。かつて、岩肌がかすむほどの白いしぶきがあがる美しい光景が広がっていたと伝えられています。そのため、“ 白滝”の名で親しまれ、やがてその名は旧村名となりました。切り立った崖の間を列車が蛇行して走る姿は、鉄道ファンにとっては定番の撮影風景となっています。

白滝発祥の地周辺の様子
撮影者 國分 麻衣子氏
アクセス情報
白滝ジオパーク交流センターから遠軽方面へ車で約10分
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平山(ひらやま)

 標高1,771mの「ひらやま」は、大雪山連峰の北側に位置しています。粘り気の小さいサラサラなマグマの噴火によって生み出された火山で、名前の通りなだらかな山頂をしています。道中では「行雲の滝」「冷涼の滝」といった2本の滝を見ることができます。運が良ければ氷河期を生き延びてきたナキウサギに出会えるかもしれません。山頂にはコマクサをはじめ、百数十種の高山植物と、360度に広がる北大雪の素晴らしい眺望が楽しめます。

山頂から大雪山連邦を望む
雪渓の様子
コマクサの群生
アクセス情報
白滝ジオパーク交流センターから平山登山口まで車で約45分、登山口から山頂までの所要時間は登り約3時間
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火山がもたらす恵み

武利風穴(むりふうけつ)と高山植物

 風穴とは、夏には冷気が吹き出し、冬には空気を吸いこむ不思議な穴のことです。風穴から冷たい空気が噴き出すことによって、風穴周辺では夏場でも5℃近くの地温が保たれており、コケモモやイソツツジといった高山性の植物を見ることができます。そのため、ナキウサギの生息地にもなっています。このような自然環境は、2万年前の氷期ととてもよく似ていると考えられています。

武利風穴と目印の石碑
風穴周辺のコケモモ
エゾナキウサギ
アクセス情報
丸瀬布市街を武利川に沿ってしばらく南下し,林道へ入る。石碑が目印
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北ノ王鉱山跡

マグマがもたらしたアツアツの水(熱水)が、周りの石の中を通るときに金や銀などの資源を落としていくことがあります。これらの資源を含んだ熱水の通り道(鉱床)が、生田原地域の地下にありました。この大地の恵みと生田原の人々をつないでいたのが北ノ王鉱山です。この鉱山の名を受け継いだ生田原温泉ホテル「ノースキング」では、大地の恵みである温泉を堪能することができます。

火力発電所の煙突
生田原温泉 ホテルノースキング
鉱山施設の土台
アクセス情報
北ノ王鉱山跡地は国有林内に位置しているため、事前の許可申請が必要です。ジオパーク交流センター(0158-48-2213)までお問い合わせください。
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基本情報

ジオパーク名:白滝ジオパーク

ジオパーク名(英語表記):Shirataki Geopark

団体名:白滝ジオパーク推進協議会

構成自治体名:北海道遠軽町

お問合せ先

■白滝ジオパーク交流センター

〒099-0111 北海道紋別郡遠軽町白滝138-1 白滝ジオパーク交流センター

TEL 0158-48-2020 FAX 0158-48-2374

■E-mail

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■ウェブサイト 白滝ジオパーク

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