ゆざわジオパークは約9700万年前の神室山花崗岩類を基盤とし、幾度とない火山噴火や、長い年月をかけて大地を侵食した水の働きが克明に刻まれたジオサイトが数多く存在しています。

一見するとゆざわジオパークに火山は無いように思われますが、かつて東北の大地を創りあげた火山は今も「見えない火山」として活動を続けています。地中深く息づくこの活動は、当地の豪雪がもたらす豊富な天水と出会い、“湯沢”の名が示す通りの潤沢な温泉や、大噴湯といった自然の驚異として地上に姿を現します。それはまさに、「見えない火山」を目の当たりにする瞬間と言えるでしょう。

そして、そのような大地の営みのうえに築かれた人間の営みに触れられることも、ゆざわジオパークの大きな魅力です。鉱物資源や湧水といった大地の恵みは、銘酒に代表される湯沢市の産業に結実し、さらに未来に向けて「地熱」という大きな可能性を与えてくれています。

主な見どころ・
おすすめジオサイト

川原毛地獄・川原毛大湯滝

 川原毛地獄は南部の恐山、越中の立山と共に日本三大霊地と呼ばれた地であり、古くから多くの修験者や参詣者が訪れました。

 周辺の地質は、三途川層が堆積する以前に、激しい火山活動で形成された虎毛山層と呼ばれるデイサイト質凝灰岩類からなります。美しい硫黄結晶が析出している様子を観察できますが、有毒な硫化水素を含むガスが噴出しているため十分な注意が必要です。

 草木も生えず、白い山肌と奇岩・怪岩に覆われた寂莫たる光景は、今もなお湯沢市で「見えない火山」が活動している証です。

 また、川原毛地獄から沢伝いに歩くと川原毛大湯滝があります。落差20mの温泉が流れ落ちる、全国でも珍しい滝壺が湯船となった野趣満点の露天温泉です。

小安峡大噴湯

 小安峡の地形は、皆瀬川が長い年月をかけて刻んだ約8㎞の険しいV字谷で、国道から川底までの高低差は約60mあります。

 大噴湯は橋の上からでも見ることができますが、谷底では断崖絶壁の三途川層(湖成堆積層)の隙間や割れ目から、轟音と共に白煙化した高温の蒸気と熱湯が噴き出ている様子を直に体験できます。江戸時代の紀行家・菅江真澄が「雷鳴の轟くが如し」と評した大噴湯は、文字通り大地の息吹を浴びることのできるジオサイトです。

 小安峡は紅葉の名所としても知られ、また小安峡温泉とも隣接しており、大地の恵みを様々な角度から受けることができます。

院内銀山

 院内銀山は江戸時代後期から明治時代に最盛期を迎えた銀鉱山です。一時は「天保の盛山」と呼ばれ、日本一の銀産出量を誇ると共に、銀山町の人口は最盛期で1万2千人にもおよび、当時の久保田藩の城下町・久保田を越える繁栄を享受していました。

 銀山の銀鉱脈は約800~600万年前、院内の大地を形成した噴火と、酸性マグマの活動に起因します。噴火の際に重金属を含む熱水が断層や岩石の割れ目に沿って上昇し、圧力・温度の低下に伴って脈状に金属鉱脈が晶出したと考えられています。
大地の営みによって生じた輝きと、それを基盤として築かれた人間の営みの両方を味わえるサイトです。

院内石石切り場

 院内石は風化作用や熱に強く、古くから石材として利用されており、平成10年ごろまで採石されていました。石材資源量は膨大で、院内を中心にして約30㎢の広い範囲に盆地状に分布しており、地質的には約800~600万年前の火山活動で噴出した軽石を多く含む灰白色の院内凝灰岩(女川層上層)からなります。

 採石は江戸時代から昭和の戦後までツルハシやタガネ、ハンマーなどによる手掘りであり、昭和35~36年頃になって電動式丸鋸が導入されました。院内石採石場では、山肌から石を切り出したダイナミックな景観を楽しめるとともに、眼下に院内カルデラを一望できます。

苔沼

苔沼は古い時代の地すべり、崩壊に関連して形成されたと考えられています。標高約580mの高原に位置し、面積約7.8ha、水深1~5mの浅い沼で、厚さ1~3mのミズゴケ泥炭に覆われています。全体が浮島状になっており、開水面は沼の北側と周囲の水路上に見られるのみの珍しい沼です。

 この高層性ミズゴケ湿原は、湖沼の移り変わりを考えるうえで大変貴重であり、秋田県指定天然記念物となっています。湿地帯には多くのコケ類や、日本最小と言われているハッチョウトンボ、腹部が金色に輝くキイトトンボなどのイトトンボ類も生息し、高原湿地帯の生態系を知るうえで学術的にも貴重な沼です。

皆瀬川の三途川層露頭

 皆瀬ダム湖や皆瀬川の両岸では水平に重なり合う三途川層がよく観察できます。約700~500万年前に激しい陸上噴火が起こり、膨大な火山噴出物(虎毛山層)が高松川や皆瀬川周辺を厚く覆いました。その巨大噴火の中心部が陥没し、カルデラ湖が形成されました。三途川層は700~300万年前にこの淡水の三途川カルデラ湖の中で沈積した湖成堆積物でできた地層で、泥岩や砂岩を主としており、水を通しにくい地層です。三途川層露頭は川の浸食により、長い年月をかけて形成されました。

 スリル満点の市野吊り橋からはダムの貯水量にもよりますが、はっきりとした露頭を観察できます。

上の岱地熱発電所

 地熱発電は、地下から高温高圧の蒸気を取り出し、それによってタービンを回転させて発電する仕組みになっています。高松岳の地下には高温岩体があり、地下水が熱せられ、地下の割れ目に高温の蒸気が貯留されています。上の岱地熱発電所ではそれを活用して平成6年から発電を行っており、クリーンな電気を県内に送電しています。発電出力は、28,800kWで湯沢市全体の使用電気量に相当します。

基本情報

ジオパーク名:ゆざわジオパーク

ジオパーク名(英語表記):Yuzawa Geopark

団体名:湯沢市ジオパーク推進協議会

構成自治体名:秋田県湯沢市

お問合せ先

■湯沢市ジオパーク推進協議会事務局

〒012-8501 秋田県湯沢市佐竹町1-1 湯沢市観光・ジオパーク推進課内

TEL 0183-55-8195 FAX 0183-79-5057

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■ウェブサイト ゆざわジオパーク