ジオパーク秩父の概要

秩父地域は、都心から60~80㎞圏に位置し、関東山地の一画を占めます。地形は、奥秩父山地・上武山地(秩父帯・四万十帯からなる)、外秩父山地(三波川帯からなる)に囲まれ、その中心に丘陵や河成段丘のある低い土地が広がる秩父盆地があります。

ジオパーク秩父の地域資源

荒川や赤平川により形成された河成段丘は、高位・中位・低位に区分されます。また、多様な歴史的・文化的資源として、旧石器~戦国時代の遺跡古墳群、和銅に関する遺跡、秩父往還、秩父事件、秩父札所巡礼及び秩父夜祭り、秩父銘仙など、有名で貴重な歴史・文化遺産が多数点在しています。

ジオパーク秩父の国指定天然記念物

ジオパーク秩父のエリアには、大正時代に指定された「長瀞の岩畳」をはじめ、太古の昔秩父が海であったことを物語る「前原の不整合」や「犬木の不整合」、「取方の大露頭」、「ようばけ」、「大野原化石産地」「新田橋の礫岩露頭」の6つの露頭と、「パレオパラドキシア」、「チチブクジラ」など9件の化石標本が、国の天然記念物に指定されます。

主な見どころ・
おすすめジオサイト

浦山ダム付近(秩父帯の岩石・地形など)

彩甲斐街道(R140)を南に向かい、影森を過ぎて下り坂のカーブを左折します。盆地内の平坦な地形が一変し急峻な地形の秩父帯に入ります。V字谷の出口に作られたダム堤の上は、盆地を南方から眺める絶景ポイントです。浦山ダム資料館「うららぴあ」2Fはジオパーク特設コーナーとなっており、1Fのさくら湖食堂では、ジオグルメの「浦山ダムカレー」がいただけます。

アクセス情報
浦山ダム資料館うららぴあ・・・埼玉県秩父市荒川久那4041

橋立鍾乳洞

武甲山をつくる石灰岩体の西の端に位置する埼玉県唯一の観光洞となっています。札所28番橋立観音堂があり、岩陰からは縄文時代の遺跡も見つかり、古くから人が住む信仰の地でした。鍾乳洞は石灰岩の割れ目に沿ってできたもので、入口から約150m、高さ30mほど登って出口に至る竪穴の洞窟です。石灰岩は、古生代ペルム紀のころ大洋の彼方ででき、海洋プレートによって運ばれ、中生代ジュラ紀にこの地に到達したと考えられ、「付加体」と呼ばれます。

アクセス情報
橋立鍾乳洞・・・埼玉県秩父市上影森675
秩父鉄道浦山口駅から徒歩約15分

前原の不整合(国指定天然記念物)

秩父盆地北側の隅、皆野町前原の荒川と赤平川が合流する左岸に、盆地の基盤である秩父帯と新第三系の不整合があります。基盤は破砕された粘板岩でジュラ紀のものです。上に重なるのはチャートや粘板岩の礫(基底礫岩)で、上にいくにつれ砂岩へ移り変わっています。浸食され続けていた秩父帯の地層が新第三紀になって海におおわれ新しい地層が堆積したことを示しています。

アクセス情報
秩父鉄道皆野駅より皆野橋経由徒歩25分
県道37号大淵交差点そば

犬木の不整合(国指定天然記念物)

秩父の山々を形作っている古生代・中生代の古い地層の上に、新生代の古秩父湾の地層が堆積しはじめた証を観察することができます。「前原の不整合」同様、基底礫岩が観察できるほか明瞭な断層を観察することができます。近くの地層からはパレオパラドキシアの化石も発掘されています。

アクセス情報
国道299号線沿い 秩父鉄道秩父駅より車で約45分
小鹿野高校を通過後約4㎞

取方の大露頭(国指定天然記念物)

小鹿野町層の砂岩泥岩互層が見られます。大きく曲がった地層は、海底の堆積物が斜面をすべり落ちてできた海底地すべり堆積物です。また、露頭最上部には、第四紀の段丘堆積物が見られ、明瞭な「斜交不整合」が観察できます。

アクセス情報
吉田取方総合運動公園そば・・・埼玉県秩父市下吉田427

ようばけ(国指定天然記念物)

「ようばけ」という名は、‘太陽のあたる崖‘という意味合いだと言われています。新第三系の秩父町層が露出する巨大な崖です。下半部は「奈倉層」、上半部は「鷺の巣層」です。付近からはチチブクジラなどの脊椎動物化石やカニ化石が発見されています。近くの「おがの化石館」は、小鹿野町般若で見つかったパレオパラドキシアの骨格(レプリカ)や、化石愛好者・地元の人が採取した化石を展示しています。大正5年には盛岡高等農林学校の宮沢賢治が地質巡検で訪れた地といわれています。

アクセス情報
おがの化石館そば・・・埼玉県秩父郡小鹿野町下小鹿野453

大野原パレオパラドキシア化石産地(国指定天然記念物)

昭和47年に発見され、昭和50年と52年に発掘された「パレオパラドキシア」大野原標本の産出地で、付近からは「チチブクジラ」の化石も発見されています。秩父の化石産地を象徴する露頭です。

アクセス情報
秩父鉄道秩父駅より国道299号から県道44号経由 車で約15分
※露頭を対岸に見る広場まで道が狭く、未舗装の道もあるため注意

新田橋の礫岩露頭(国指定天然記念物)

秩父が湾であった終焉を示す、角のとがった角礫岩が観察できる代表露頭です。この角礫岩は、古秩父湾の東縁に断層運動によって陸地が形成された際、周辺の陸域から供給されたものです。秩父郡横瀬町には大規模な露頭が残されている場所が少なく、古秩父湾の終焉を示す重要な露頭となっています。

アクセス情報
ウオーターパークシラヤマ内・・・埼玉県秩父郡横瀬町大字横瀬2042-1
西武鉄道横瀬駅より徒歩で約15分

ミューズパーク展望台(高位段丘と地形の展望)

高位段丘(多摩期)の尾田蒔丘陵は、盆地の中を南北に連なり、「長尾根」と呼ばれてきました。尾根を越える小鹿坂峠は、小鹿野町と秩父市街地を最短距離で結んでいました。段丘上は水がなく長い間薪や炭をつくるための雑木林でした。平成3年7月に「ミューズパーク」として開業され、ウオーキングやテニスを楽しむ人たちでにぎわっています。段丘上ではローム層と段丘礫層が観察できます。「旅立ちの丘」や展望台に立つと武甲山をはじめ秩父盆地を取り巻く山々、眼下に中位段丘の羊山丘陵や低位段丘上に広がる秩父市街地を眺めることができます。

アクセス情報
秩父ミューズパーク内
秩父ミューズパーク野外ステージそば・・・埼玉県秩父市田村1377

基本情報

ジオパーク名:ジオパーク秩父

ジオパーク名(英語表記):Geopark Chichibu

団体名:秩父まるごとジオパーク推進協議会

構成自治体名:埼玉県秩父市・横瀬町・皆野町・長瀞町・小鹿野町

お問合せ先

■秩父まるごとジオパーク推進協議会

〒368-0032 埼玉県秩父市熊木町9-5 一般社団法人 秩父地域おもてなし観光公社 ジオパーク推進室

TEL 0494-26-5511 FAX 0494-26-7331

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